起業して1年とちょっと経ったので、ふりかえってみます。

絵を描かないアートスクールという、ちょっと珍しいスクールを立ち上げて1年経ちました。そこで自分の頭を整理して、これから何をするべきかのヒントにするためにふりかえりをしてみたいと思います。
もしも起業を考えている方であれば、少しはヒントになるのかもしれないと思い、書いていきます。

私のスクールは、想定していた生徒の数には遠く及んでいません。今から思い返せば考えが甘かったのです。だから、どのように稼いでいくのかを考えながら走り続けるという状態がこれからも続きそうな感じがしています。

私は、1年間どのように過ごしてきたのでしょうか?一言で言うならば「下書き」をしていたように思います。のんびりしすぎだったのかもしれないけれど、準備とトライに明け暮れた1年でした。

なぜ、準備とトライで1年経ってしまったかというと、とにかく全部自分でやらなければならなかったのです。
法人を立ち上げるのも初めてです。株式会社の決算をするために会計士さんを選び、打ち合わせをするのも初めてです。
社員を雇っていないので、やれることは自分でやって手に負えないことはお願いするというスタンスです。しかも、何をやれて、何は手に負えないかの判断もできないくらい私は無知だったのです。
そんな私を助けてくれたのが、神戸市が起業をサポートしてくれるサービスでした。何度も何度も足を運び、丁寧に色々と教えてもらいました。起業のコンシェルジュがいなければ、株式会社を立ち上げようとは思いませんでした。しかも無料です。使わない手はありません。

また、スクールに生徒を集めることも初めてです。塾を経営している先輩にアドバイスをしてもらうことで、何とかなるだろうと考えていました。でも、なかなかの手ごわさです。スクールがオープンする前の2か月間チラシを配ったり、SNSで募集をかけました。説明会もやりました。でも、思ったような反応が得られず、落ち込んでいたこともありました。近くの八幡神社にお参りに何度も行きました。でも、すぐには成果が出ないものです。

上手くいかないこともあれば、予想していない所から声がかかって仕事につながることもありました。

2021年の4月にスクールがオープンして、それと同時に私は別の稼ぎ方も考え始めていました。それが、出張講師の仕事です。待っているだけでなく、出向いて行ってワークショップや授業を行うことです。(デリ=コイネー https://deli.koine.jp/)
私は20年以上広告代理店でアートディレクターとして働きました。そこで身に着けた技術や経験と知見を、授業という形に落とし込んで、実施するのです。
学びの時間をデリバリーするのも、コンテンツを考える必要があるので準備が必要です。

そんな準備をしていると、前に勤めていた会社の同僚から数年ぶりに声をかけてもらって、芦屋市さんと仕事をすることになりました。そして、昔からお世話になっている先生に誘われて、大阪にあるデザイン専門学校で15コマの講義を受け持つことになり、毎週火曜の午前中3時間、デザイン以外のことを教える事になりました。
六甲の教室に閉じこもっていたら、きっと挫けていたでしょう。声をかけてくださった皆さんには感謝という言葉では足りない思いです。
仲間ができるというのは、本当に心強いものです。新しい出会いがあり志が同じ仲間を得られたのも大きな出来事でした。今の教育のあり方に疑問を持ち、オルタナティブな学びを作ろうとユニットを組んで教育という切り口から社会を変えようとしています。

私が起業してから1年間かけて「下書き」をしてきました。デッサンをするときにも、まずは大まかな輪郭線から描いていきます。いきなり細かい描き込みをすることはありません。
失敗してもいいから沢山の線を引いて、どのあたりがよいラインなのかを探してようやく全体像が見えてくるのです。
まだ、私の事業はおぼろげな形しか見えてきていません。でも着実に何かの形にはなってきている手ごたえはあります。

これからも失敗を恐れすぎずに新しいことに挑戦し続けて、社会をいい方に変える事業という一枚の作品を描き上げていきたいと思っています。
もしも起業するつもりの方が読んでいるならば、2~3年は焦らずにじっくり取り組むことができるほどの準備をしておくことをお勧めします。

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