集中力を削ぐスマホ

作家の三谷幸喜さんのエッセイを読んで、集中力について書いてありました。三谷さんは集中力は持続できて15分くらいだと言っていました。私がそのエッセイを読んだのは30歳くらいの時だったと思います。その時にはあまりピンと来ていませんでした。なぜなら私が1時間くらいは集中して作業をできていたように思っていたからです。そして、集中できる時間がそんなに短くて人気の作家さんは仕事ができるのか?と疑問に思いました。15分で何ができるのだろうと思ったのです。

でも、今なら分かる気がするのです。15分間で何をするのか。それは、本当に大事なことを考えるための時間の限界は15分くらいなのではないかと想像しています。デザインで言うならば、コンセプトを考えるとか、本の執筆で言えば一つだけ伝えるならば何を伝えるべきかを考えるとか。木で言ば根っこの部分で人の目に触れない大事なことを考える限界時間が15分だと思うのです。

私の実感で言うとその15分間は音が遮断された暗い密室にいるような感覚です。余計なことが何もなく、ただ頭だけが正確に動いているような快感があります。そして気が付いたら、いい考えがまとまっています。その時間は心地よく、幸せな気持ちでいっぱいです。最近ではゾーンに入るとかフローに入るとか、そういう言い方をされていますね。

でも、いつでもそんな状態に入れるわけではありません。自分の思ったタイミングで思ったように超集中する時間には入れれば最高です。そうすれば仕事のクオリティが上がり、時間も効率的に使えるようになって、ハッピーに生きれるはず。でもなかなかそうはいかないですよね。
それでは、超集中に入るのを邪魔するものとは何でしょうか?

それは、スマホです。

スマホを目に見えるところに置いて仕事や勉強をすると、学習効果や記憶力、集中力が低下するそうです。それは自分のスマホでなくても、他人のスマホでも悪影響を及ぼすそうです。さらに、ポケットに入れておくだけでもダメです。完全にスマホを遮断しなければ、集中は簡単に削がれてしまうそうです。これは「スマホ脳」という本で読みました。
うすうす感じていたけれど、やっぱりそうなのか…とあなたは感じていませんか?

本の執筆をしている時にこの事実を知りかなりのショックを受け、すぐに行きつけのカフェで実践してみました。テーブルに置くのもポケットに入れるのもやめて、カバンにしまってから原稿を書き始めるのです。すると、以前よりもスムーズに集中モードに入ることができるようになりました。スマホの画面がメッセージの着信で光ると手に取る、そのたびに集中が途切れる。些細なことですが、それがなくなるだけでも全然違うように感じました。ひとつのコラムを書き終えるまでスマホを見ないようにする、そのルールを決めて書くとスピードが上がるだけではなく、文章の質も上がったような気がします。

グループラインでメッセージが行き来して面白い。今日の天気はどうだっけ。今日の打ち合わせの場所って移動にどれくらいかかるのかな。集中に入るのを妨げるものは次から次へと脳に浮かんできます。それにいちいち対応してスマホを見ていたら、そりゃ集中する時間なんてなかなか作れません。

もしも、あなたが集中して何かに取り組みたいなら、スマホを手の届かない場所に片づけてからスタートしてみてはいかがでしょうか?予想以上の効果が得られるかもしれませんよ。

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