心の安全基地(心理的安全性について)

他の人の目を気にせずに発言しにくいなと感じることってありませんか?

こんな考えを言ったら変に思われるかな…とか、今これを尋ねたら批判的に聞こえちゃうかな…とか。そういう、ちょっとした不安感のようなものです。
さらに、今の時代は、SNSの発達で他の人の考えや行動を知ることができるようになってきています。SNSがなかった時代には、個人の心の中はほとんど共有されることはありませんでした。せいぜい、どこかに落書きされていたり雑誌の隅っこに投稿されていたりするくらいでした。
でも今は、スマホを通して個人がどんどん発信できるようになっており、その情報が勝手に手元にやってきてしまうこともあります。いい情報も悪い情報も、瞬時に共有されて広がっていくという、目に見えないプレッシャーをじんわりと感じませんか?自分の発言ってどう思われてしまうんだろう…って。

それでは、自分の考えを何の気兼ねもなく話せるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

それは、コミュニケーションする環境を整えることが大切だと私は考えます。

例えば、何人かで話をするときに、どんな考え方やアイデアもいったんは受け入れるというルールを作るのです。私はよくワークショップを開催するのですが、初対面や顔は知っているけれどまだその人のことを深くは理解していないなど、浅い関係の人達が集まることがあります。
そんなときには、自分の考えを共有するのに抵抗があります。「こんなことを言ったら変に思われるかな?」ふとこんな思いがよぎると、なかなかアイデアを披露できません。
そこで私は、いきなり突拍子もない変なアイデアを出したりします。そうすると、参加してくれた人は「あ、そんなんでいいんだ!?」と安心して、少しづつ自分なりのアイデアを出してくれます。こんな風に、何を発言しても受け入れてもらえる安心感をつくることで気兼ねなく話すことができるようになります。

そして、共有したアイデアをやたらに口外しないという信頼関係もコミュニケーションの環境づくりには大切ですね。


つまり、コミュニケーションの環境を整えるというのは、お互いに心の安全を守る空気づくりをすることなのです。

アメリカのGoogle社は、「心理的安全性がチームの生産性を向上する重要な要素となる」との成果報告を発表しています。心理的安全性とは、自分の発言や行動に対する周囲の反応を恐れたり、恥ずかしく感じたりせずに、ありのままの自分を出せる状態のことです。

あの世界的な企業でもコミュニケーションの環境づくりの大切さを指摘しているのですね。

一見無邪気に何でも話せるように見える子どもたちにとっても、心理的安全性は大切です。子どもと言っても一人の人間なので、無知と思われたくない、邪魔をしたくない、と意識的にも無意識的にも不安を感じることがあるのです。

だから私は、立ち話の雑談でも、子ども向けのワークショップでも、仕事の打ち合わせでも、なるべく気兼ねなく発言できるようにコミュニケーションの環境を整えるようにしています。
多様なアイデアを出し合い、認め合って対話することで、みんなニコニコするのってサイコーですよね?みなさんもコミュニケーションの環境について、ちょっと気を付けてみてはいかがでしょうか。

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